2014年9月21日日曜日

李娜の引退 「残念なことは何一つない」

どういうわけか、日本のメディアに記事が流れていない(または私が見逃しているだけかも)のだが、李娜が引退の記者会見を行った。(記事はこちら。)引退の理由は、モチベーションやメンタルなことではなく、膝のけがが理由のようだ。すでに、今年、ウインブルドン以来大会に出場できておらず、3度も大会を棄権している。年齢を考えると、復帰するのは難しいと判断した。

李娜は、2011年全仏オープンと2014年全豪オープンの2度、グランドスラムの勝者となった。2015年の全豪オープン女子は、前年度の優勝者不在で開催されることになる。

「32歳の今、自分のキャリアには十分に満足している。」「引退を決意する前に、何度も自分に問いただした。『後悔するのではないのか』と。でも、答えはNOだった。今引退を決意するのが一番だと思った。」「引退を決意するのはグランドスラムで戦うよりもつらい決断だったが、もう体が言うことを聞かないことを考えると、これが正しい選択だと思う。」「今後は、中国の若手のテニスの指導者になりたい。」


上のWebサイトには、李娜をtrailblazerという言葉で表している。trailblazerとは、「先駆者」という意味だ。アジア初のグランドスラマーとして、まさに彼女は先駆者であったと言ってよいだろう。

記事を読む限り、いつもの李娜の軽妙洒脱な会見ではなかったようだ。(当日の映像はこちら)。今回の会見は、北京で中国語で行われた国内向けの会見だったので、「真面目に」引退の理由を述べる必要があったということかもしれない。

もちろんそれだけが理由ではないだろう。それだけ、彼女の心は揺れており、苦渋の決断だったのだと思う。李娜がこれからどのような指導者になり、中国女子テニスがどのように素晴らしい選手を生み出していくのか、李娜の第2のテニス人生が楽しみだ。

2011年全仏オープン決勝で、李娜のプレーを始めてみて書いたブログは、今でもこのブログの中で最もよい記事だと思っている。是非、読んでいただきたい。
李娜(Na Li)の全仏オープン2011決勝



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